産業保健調査研究

主任研究者 香川産業保健推進センター 所長 黒田 学
共同研究者 高松市医師会 理事 高畠 美人
     〃 福井 慶一
     〃 眞弓 研介
     〃 阿部 敦
     〃 平井 健一
     〃 真鍋 賢二
     〃 印藤 孝彦

1.健康教育教材の必要性​

 平成7年度の香川産業保健推進センターの情報提供事業中、図書閲覧者数84名、貸出数190冊、ビデオ鑑賞者数237名、貸出数810巻で、 79.2%がビデオ関連であり(第1表)健康教育教材としての利用度の約8割を占めている現状に鑑み、 健康教育教材の開発には、利用度の高いビデオの作成が必要であるとの結論に達した。
 平成8年7月現在で、香川産業保健推進センターに常備されている貸出用のビデオは、産業保健の各方面に至る広域なテーマで、 371巻を保有するが、各地域センターの相談窓口で産業保健指導の際利用する為には、著作権の関係でダッビングして配布する事が許されておらず、 苦慮していたが、幸いにも、本年度の産業保健推進センターの調査研究のテーマに、健康教育用教材の開発に関する研究課題が例示されていたので、この課題を取り上げた。


平成7年度情報機器等提供件数(第1表)
図 書 ビデオ
閲覧者数 84 237
貸出数 190 810
-健康教育教材の内容-
A.「産業医の職務」

 地域センターを利用する相談者の大多数が、産業医の名称を知らない人が多く、産業医の職務内容については、全くといって良い位理解されていないので、 (産業医活動推進委員会「産業医の職務」について)より、産業医の職務一覧表の総括管理、健康管理、作業管理、作業環境管理、労働衛生管理の内容をビデオ化して、 地域センターを運営する県下の各郡市医師会に配布した。
 実際に地域産業保健センターの相談窓口に来訪した相談者に、このビデオを供覧した結果では、殆どの相談者が、企業の健康管理の重要性を理解する必要性を感じ取り、 さらに産業保健を推進するための参考書の紹介を求められたり、40名代の従業員を雇用している事業所では、産業医と契約をする価値の認識を懐いて帰った人が殆どであった。
 この様な方法で、産業医の職務についての認識を得るのは、文章を視覚からのみ理解するのと比較すると、地域センターで、視聴覚からの刺激で理解する理解度が上で、 疑問点は、直ちに医師に質問が可能なので、事業の効率が優れている。

B.「歩こう」

 前述の、地域産業保健センターの支援の意図で、作成した健康教育教材の噴矢である。
 この種のビデオは、既成の作品が数多く存在しているが、著作権の点と、より地域に関連した馴染みのある背景を入れる事で、身近なテーマとして受け入れられるのではないかという期待をもって作成した。
 使用機材の選択の調査を行った所では、デジタル方式を採用すべきであったが、民生用の再生装置が未発売のため、やむなく入手が容易なHi-8方式で撮影・編集を行う事を結論にした。
 このビデオの内容は、自己の責任で、自分の健康を保持・増進して行く事を基本として、その第一歩が「健康診断」を受ける事から始まり、地域センター支援の目的も加味して、産業医未選任の事業所に雇用されている者には、 地域産業保健センターの紹介も行い、健康診断結果にて「異常なし」の所見を得た者に対しての事後措置として、メディカル・チェックを省略しても、死亡事故等の発生する確率の少ない運動種目の歩行に焦点を合わせて、 クーパー氏の提案による、段階的運動処方ほり、各年代別の歩行強度、歩行頻度、歩行時間を提示ウィ、有酸素運動として肥満の解消に期待がもて、食事の内容の理解・成人病の予防を期待し、これらの事を目的として製作した。

C.今後の計画

 前述の、地域産業保健センターの支援の意図で、作成した健康教育教材の噴矢である。
 この種のビデオは、既成の作品が数多く存在しているが、著作権の点と、より地域に関連した馴染みのある背景を入れる事で、身近なテーマとして受け入れられるのではないかという期待をもって作成した。
 使用機材の選択の調査を行った所では、デジタル方式を採用すべきであったが、民生用の再生装置が未発売のため、やむなく入手が容易なHi-8方式で撮影・編集を行う事を結論にした。
 このビデオの内容は、自己の責任で、自分の健康を保持・増進して行く事を基本として、その第一歩が「健康診断」を受ける事から始まり、地域センター支援の目的も加味して、産業医未選任の事業所に雇用されている者には、 地域産業保健センターの紹介も行い、健康診断結果にて「異常なし」の所見を得た者に対しての事後措置として、メディカル・チェックを省略しても、死亡事故等の発生する確率の少ない運動種目の歩行に焦点を合わせて、 クーパー氏の提案による、段階的運動処方ほり、各年代別の歩行強度、歩行頻度、歩行時間を提示ウィ、有酸素運動として肥満の解消に期待がもて、食事の内容の理解・成人病の予防を期待し、これらの事を目的として製作した。

C.今後の計画

 過度の体重を有する症例では、歩行も膝障害を発生させる危険性があり、この点では禁忌であるので、比較的膝への負担が少ない「サイクリング」をテーマにして、健康教育教材を作成する事と、地域センター事業で利用度の高い内容のビデオを作製する予定である。

2.教材の利用効果

 産業推進保健センターの相談窓口などで、ビデオ教材を相談者とともに視聴して、相談者から発生する疑問点を直ちに解決すれば、ビデオの利用効果が最も優れているので、 相談者に対しては質問のテーマに応じた教材を選択する(備品がなければ作成する)事が肝要である。